漆器の製作工程
漆は数多くの人類にとっての有用なパワーを秘めていますが、
その力を最大に引き出すには実は多くの工程を必要とします。
漆は人が手間暇を惜しみなくかけることによって強度と美しさを無限に発揮してくれます。
日本では漆芸の工程は分業化されていますが、
それぞれに専門の職人さんが関わっています。
|漆器ができるまでの4つのプロセス
漆器ができるまでには大きく分けて4工程があります。
さらにこれらの各プロセスが多くの作業に分かれています。
最終的には産地やグレードによって違ってきますが、
数十~数百に及ぶ工程が加えられます。
日本の伝統工芸のなかでもその追求度・完成度は際立っています。
- 木地作りとは原型になる木工品の加工です。
- 下地作りはその原型を補強し、より美しく機能的にするためたたき台作りです。
- 塗りは本格的に漆を塗っていく作業で幾重にも塗り重ねられます。
- 加飾は美しく作品を仕上げて行く工程です。
|分業化されている漆器作り
これらの日本の工芸品としての漆器作りは漆の採取から始まり
それぞれの工程が細分化されて分業化されています。
1人の職人や作家がすべて担って作り上げる他の工芸品や陶芸などとは
大きく違うとところです。
原型になる木器をつくる職人、その原型に手を加えて下地を作る人、
漆を塗り重ねてゆく人、そして最後に絵柄や彩色を施す人とそれぞれが役割を担って
それぞれの高度な技術で関わっています。
日本の漆器は磨きに磨かれた多くの技術の修練の結果の作品となっています。
多くの職人さんが連携をとって一つの漆器を仕上げてゆきます。