会津の蒔絵

会津塗りでは蒔絵の技法は多彩に駆使されています。

多彩な蒔絵の技法は会津塗の特徴づける装飾になっています。

*(蒔絵とは)

漆工芸技法の一つで漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法です。

 

|朱磨き(しゅみがき)

朱磨きの技法は明治37年頃に描きはじめられた会津オリジナルです。

蒔絵は金粉や銀粉を漆で書いた図柄の上に蒔きつけるものですが、

朱磨きは黒漆で上塗して、乾燥させます。

その後、その上に透明な漆で絵を描き、その上に金粉の代わりに、

朱の粉を蒔き付ける、乾燥後みがいて仕上げる技法です。

器全体に菊と桐の文様が大きく描かれる会津独特なデザインで

黒と朱のコントラストが際だちます。

会津朱磨き

 

|消粉蒔絵(けしふんまきえ)

消金粉という金銀の箔 (はく) を水あめで混ぜて乾燥し、

もんで粉末にしたものを蒔絵に使います。

金粉はより粒子が細かくなり鮮や金色が描けます。水あめは後で洗い落とします。

コストは低く押さえられ、現在も幅広く様々な漆器に活用されています。

金箔張りに比べて柔らかい仕上りになります。

消粉蒔絵

|平極蒔絵(ひらごくまきえ)

明治17年頃に始められた技法で、

平極という地金をヤスリですりおろした金粉を蒔絵に使います。

金粉は極めて微細で平らになります。平粉ともいいます。

平均5から6ミクロン程度の粉になります。

 平極蒔絵

|丸粉蒔絵(まるふんまきえ)

明治時代に本格的に行われるようになった技術で、丸粉という金や銀の地金をヤスリでおろし、

更にやすり盤の上で金槌でこすって丸みをつけた金銀粉を蒔き付ける技法です、

乾燥後、炭で磨いて仕上げる技法です。丸粉の大きさは形状は文字どうり球形に近く、

約5ミクロン(千分の5mm)から0.3mmまでの直径で17段階に分かれます。

この丸粉を用いた蒔絵を本蒔絵といいます。

 

 

u-10

|網絵(あみえ)

黒漆を塗り、乾燥後その上に朱漆で網目を描く場合と、

朱の粉や金粉を蒔き付ける場合があります。

会津の網絵は京都の網絵と比べ網目が細かいのが特徴です。

網絵

 

 

|消金地(けしきんじ)

消金地(けしきんじ)」は、もっとも細かくした金粉・消金粉を下地の上に均一に蒔きつけて

漆をその上に乗せてゆく手法で金粉の節約になります。

金の光沢も優しい感じになります。

 

消金地