会津漆絵
漆絵(うるしえ)とは上塗した器に朱や緑、黄色、黒、白などの顔料を混ぜた漆を
溶剤として顔料を発色させ色漆を作ります。
この色漆を筆などで直接絵柄を塗っていく技法です。
漆に顔料を溶いて器物や壁面に文様を描く漆絵の技法は
縄文時代にはすでに始まっていました。
中国でも黒漆や朱漆で古くから行われていた技法です。
漆絵は以来面々と受け継がれてきたわけですが。
会津の漆絵には会津生まれの独特の絵柄があります。
|会津絵
会津生まれの独特のデザイン模様です。
檜垣と松竹梅、破魔矢の文様が組み合わされた絵柄になっています。
朱の漆で梅を、緑の漆で松と竹の葉を描き、破魔矢を数本配して
中央に金箔で菱形の模様を描きます。
(檜垣模様とは日本古来のパターン模様です)
|錦絵(にしきえ)
色漆で絵柄を描くことに加えて、消粉蒔絵や朱蒔きの装飾技法を使って
丹牡・鳳凰鶴亀・松竹梅の模様を描きます。
錦織りの絢爛豪華さを思わせる大胆な図柄になっています。
|鉄錆絵(てつさびえ)
下地に通常使われる錆漆(生漆に砥粉を混ぜたもの)を器全体に施して
更に錆漆で盛り上げるように梅や鶯の絵柄を乗せてゆく技法です。
乾いたら研磨剤で磨いてゆきますが、まるで鋳物のような重厚な仕上がりになるために
鉄錆絵とか鉄錆塗とか言われます。
お椀などではふたの裏に富士山と帆掛け舟の蒔絵が施されます。
明治大正時代に盛んに用いられています。
近年は、鉄さび塗りは施す職人さんもいなくなり、消滅の危機にありましたが、
高橋商店は、この技術の復活に力を注ぎ、新たな鉄さび塗りの普及に努めています。