会津の木地作り

漆器木地

木地師とは

深い山々に生活して椀や盆などの木製品の土台を作る人たちを古より

木地師さんと呼びました。

木地はそのまま木工品としても成立しますが、

多くは漆を上塗りして更に製品的に完成度を高めてゆき、

漆器として製品化されます。

言わば木地作りは漆器の土台作りです。

(参照:漆器の木地作り

会津は四方山々に囲まれた盆地で山々には古くから木地師さん達が

木地を作って生計を立ていました。

木地師さんは全国にかなりの人たちが存在していましたが、

昭和に入ってからは激減して今では数えるくらいになってしまいました。

特に安い木地を求めて多くの漆器の産地が中国などから木地の調達を行った関係で

ここ近年は国内での木地師さんはほとんどいません。

そんな中で会津はいまだに国産木地を作り続けています。

小椋木工さんは現在各地の漆芸産地にまとまった

国産丸物木地を提供できる唯一の会社かもしれません。

小椋木工さんの木地作り

 

小椋木工さんの作業風景を御紹介します。

小椋木工さんの会社風景と社長さん

 

 

 

 

 

 

小椋木工

小椋木工社長

小椋社長は現役で塗りの仕事もされています。

原木の乾燥

山から選別して切りだした木は時間をかけて乾燥させます。

木地作り

原木裁断と木地取り

作る漆器の大きさにあらあらで原木を切り出します。

木地作り

木地作り
大体の木地作り

ロクロ挽きと荒形作り

丸い形のお椀やお盆木地はロクロで挽いて作りだしますが、

会津では鈴木式擦り型ロクロが発明されて作業効率が向上しました。

 

木地作り

木地作り

木地作り

荒形木地の乾燥

倉庫のなかで割れないようにゆっくり時間をかけてさらに乾燥させます。

水分を12~13%に調整してロクロにかけてゆきます。

 

木地作り
荒形

 

木地作り

 

木地作り

ロクロ挽き仕上げ

充分乾燥さて荒形をロクロにかけて木地を作ってゆきます。

 

木地作り

 

木地作り

木地作り

 

木地作り
仕上げ作業

 

道具も自社制

ロクロで使う削り出しの刃物は自社で手作りで製造しています。

色々な木地の形を作り出す為の工夫です。

今では懐かしい加治屋さんの設備を備えています。

木地作り

 

 

 

木地作り
色々な形状の刃物が並んでいます。

 

会津漆器支える木地作り

このように漆器の木地師さん達の仕事は時間と根気の仕事です。

じっくり木を寝せていい状態になって始めて木地作りが始まり、

また作っては寝せて乾燥させて製品になった後に割れないように待ち続けます。

会津漆器の土台を会津の木地師さん達が支えています。

今では国内ではしっかり国産木地を提供できるのは会津だけになってしまいました。

一時の中国生産の為に国内の職人さん達が育たなかったためと

小椋社長は語っていました。

日本の伝統工芸はしっかり守ってゆくためにも

いいものをしっかり作っていくことが大切です。

 

  1. 会津塗とは
  2. 会津塗の上塗り(仕上げ塗)
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  4. 会津の蒔絵
  5. 会津塗の歴史
  6. 会津の木地作り