会津の産業

会津の産業は、基本は農業地区であり、漆器を代表とする伝統工芸などの地場産業が主体でしたが、近年、豊富な水力風力を利用した発電、その電力を利用したITなどの最先端産業も発展して、古くからの生産業と新しい技術を利用した業態が混在して会津の産業を形成しています。大きく以下のように分けてみることが見ることが出来ます。

  • 農業
  • 伝統的地場産業
  • エネルギー生産
  • 最先端の情報通信
  • 観光産業

会津の農業

会津地区は、会津盆地を中心におこなわれています。周辺の山地からの河川が形成する肥沃な土壌、冬の大量の積雪による豊かな水、盆地特有の夏の気温上昇と昼夜の温度差などにより良質なお米を生産しています。また、豆類、雑穀、麦、蕎麦、野菜類、果樹類などの生産も盛んで、農産物の種類が豊富です。会津盆地は、土、水、太陽に恵まれた非常に優れた農業地帯を形成しています。

伝統産業

会津の地場産業は、蒲生氏郷(がもううじさと)がその礎を築いたと言われています。秀吉から東北の押さえとして1590年に会津の地に近江より転封された氏郷は、地場産業の育成に努めます。近江より漆職人を招聘して漆器生産を興し、酒製造の職人も招き入れ日本酒作りも盛んにします。また、鶴ヶ城建設のために瓦づくり職人を招き、それが本郷焼の祖となったと言われています。日本酒の醸造は麹の発酵技術を用いて味噌醤油の製造も盛んにします。会津地区には多くの酒造メーカ、醤油味噌醸造元が今でも地酒、地味噌、地醤油を作り続けています。 漆の生産は漆の実から取れる蝋を利用した会津絵蝋燭などの副産業を生み出し、会津桐は保科正之の特産品としての育成によって地場産業として定着しています。これらは、四方山に囲まれた会津の環境をうまく生かした産業といえるでしょう。

再生可能エネルギー生産

会津は四方山に囲まれ、これらの産地は日本でも有数な豪雪地帯となっており、豊富な水量に恵まれています。只見川・戸ノ口・大川水系の水力発電が、日本の経済成長を支えてきました。近年は福島原発事故による脱原子力の意識も伴い、地熱発電、木質バイオマス発電、風力発電所、太陽光発電所も次から次へと建設され、再生可能エネルギー産業が非常に盛んに行われています。

情報通信産業

そしてこれらの豊富で清らかな水と電力を利用した半導体産業が立地してきています。そしてこれら情報関連機器工場の集積に合わせ、これらの情報化社会に対応した人材を輩出すべく、コンピュータ関連大学として平成 5年「会津大学」が開学します。会津は、最先端と伝統的な産業がそれぞれ特徴をもって地域を支える日本でも稀な産業構造を作り出しています。

観光産業

会津地区は自然、スポーツ環境、歴史、文化、史跡、伝統、温泉、食に恵まれ、限られた地域に多様な体験や見どころを有する日本でも癒やしと健康維持の資源に恵まれた秀悦な観光地帯と言えます。会津地区には年間1,600万人以上の観光客が訪れます。また教育旅行、いわゆる修学旅行でも優れたエリアとなっています。しかし、その教育旅行も東日本大震災以来、大きく落ち込んでおり、早期の回復が望まれています。